いつの間にかそうなった

【いつの間にかそうなった (物語)】

ぞくぞくするような月夜でした。

女がひとり、橋の下に立っていました。

外にいるのは、野良猫だけです。

その様子を、家の窓から見た村人が、

「あれは、幽霊に違いない」と言い出しました。

「俺は信じていないけどね」と男たちは胸を張り、

「そんなの嘘に決まってる」と女たちは噂しました。
 
やがて日暮れが近づくと、誰も外に出なくなりました。

子供たちは聞きました。

「どうして夜、お外に出てはいけないの?」

大人たちは答えました。

「みんなが外に出ないから」

こうして、またひとつ、新しい村の掟が生まれました。

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プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など21冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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