表出という出口

「こんにちは」と挨拶することや、日常の会話をすることが、

話せない自閉症者にとって、いかに難しいか、

知らない人がたくさんいるのではないでしょうか。

僕も、いまだに、そんな難しいことはできません。

奇声を上げ、意味不明の単語を繰り返し言い、

話しかけられても返事もしない。

それが、いつもの僕の姿です。

文字盤をつかえば、言葉が言えるわけではなく、

言葉を引き出すために

僕には文字盤が必要なのです。

普通の人が、パソコンを打っている状態とは

違うと思います。

僕は、わかっている言葉を打っているわけではなく、

表出という出口を探して、僕という人間の

奥深くに沈み込んでいる言葉のひとつひとつを、

自分で拾い上げる作業をしているのです。

人間の可能性は、誰もが考えつかなかったことから

広がるのではないでしょうか。

プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など21冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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