僕は、雨の日、少し物悲しくなります。

それは、雨が悲しい思い出と結びついて

いるからではないでしょうか。

雨が悲しみを倍増させるのです。

雨が、涙と似ているからだと想像している人も

いるかもしれません。

雨が悲しみを引き出してしまうのでしょう。

忘れるために閉じ込めていた記憶のふたが

何かのはずみで開く感じに

似ているような気もします。

雨が心の扉をノックするのです。

人の心は、とても危ういです。

だからこそ、人は思い出を大切にしようと

するのでしょう。



プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など21冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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