ミッチェルさんとの会話

新刊「自閉症のうた」の中では、

「僕たちにとっての『言葉』」という目次で、

作家であるミッチェルさんとの対話も

掲載されています。

ミッチェルさんには、自閉症の息子さんが

いらっしゃいます。

そのためか、僕と息子さんを重ねて

見ていらっしゃるような気がします。

ミッチェルさんからの質問「匂い」や「夢」

などに対する僕の答えは、息子さんにも、

共通するものがあるのではないでしょうか。

この本の中で僕は、

思春期だった頃の自分に対しても、

メッセージを書きました。

ミッチェルさんとのやりとりでは、作家としての

文章の綴り方にも触れています。

死生観や成功についての僕の考えも、

興味深く読んでいただけると思います。

当事者

ありえないくらい大変なのに、その苦労を

人にわかってもらえないことがあります。

発達障害の人が苦しいのは、

自分の大変さに共感を得られないことが、

原因のひとつではないでしょうか。

当事者の言葉に耳を傾けようという考え方も、

ここから始まったような気がします。

僕は、「あなたは、自閉症者の代表ではない」

と言われることがあります。

僕が自閉症者の代表でないのは、

僕自身もわかっています。

僕は、誰かに認められたくて、

本を書いたのではなく、

書かずにはいられなかったのです。

それが正しかったかどうかは、

もっと後に答えが出るような気がしています。

「旅」

新刊「自閉症のうた」には、

「旅」というタイトルの物語も掲載されています。

この作品は、これまでに書いた中で、

僕が、最も気に入っている物語です。

人の記憶というものは、とてもあいまいで、

壊れやすいものだと思います。

一生のうちで、一番幸せな時間というものは、

それぞれの頭の中の記憶の奥底に

眠っているのではないでしょうか。

何度読んでも、込み上げる思いを

抑えきれないような物語を書くのが

僕の目標です。

自閉症のうた

新刊「自閉症のうた」では、

僕は物語をふたつ書いています。

「自閉症のうた」というタイトルの作品と

「旅」というタイトルの作品です。

今日は「自閉症のうた」について、

少し触れたいと思います。

この物語の主人公は、

重度自閉症の中学生加奈子です。

加奈子と僕は、似ているかもしれません。

誰にでも、辛いことはあります。

自分の置かれている状況が、幸せか不幸か、

それは自分の心が決めることではないでしょうか。

自閉症者も自分の世界を持ち、

他人を思いやり、成長します。

僕は、加奈子の心の変化を通し、重度の自閉症者も

人として成長することを、知ってもらいたいと思っています。

人の可能性は無限です。

本当のことは、誰にもわかりません。

だから、人間は素晴らしいのです。

家族

僕の家族は、4人家族です。

父は、時々機嫌が悪くなることがありますが、

母が不機嫌になることはありません。

母が僕を怒ることは、もちろんあります。

けれども、母の機嫌が悪いせいで、

僕が怒られることはないです。

家族の中では、母が一番おしゃべりで、

母は、僕とふたりでも、僕が何も答えなくても、

ずっと何か話しています。

母は、テレビにも話しかけます。

そして、大声で笑っています。

僕は、それをうるさいとは思いません。

自閉症者に余計なことは話しかけない方がいい

という人もいますが、人によって違うのではないでしょうか。

プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など21冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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