暖かくなってくると、心が浮き浮きします。

何かに、背中を押されるような感じで、

意欲がわくのです。

つかの間の休息から目覚めた旅人のように、

僕たちは、歩き出します。

体についたほこりを払い、明るい顔で。

明日は、今日よりいい日になる。

そう信じられるのは、春だからです。

子供の視線

小さな子供とすれ違うと、

子供は僕の顔をじっと見ます。

黙っている時も見られます。

どうしてだろうかと、僕は考えます。

たぶん僕が他の人と、どこか違うと

子供は直感でわかるのでしょう。

僕は、人の視線が苦手ですが、

子供であれば、あまり気になりません。

それは、子供がきれいな目で、

僕を真っ直ぐに見てくれるからです。

良いとか悪いとかではなく、

見てしまうのでしょう。

大人になっても、

子供のような澄んだ目でいられれば、

世界は違って見えるような気がします。

褒められること

僕は、どうしてすぐに人に注意されるのか、

小さい頃はわかりませんでした。

辛いばかりで、何を言われているのかもわからず、

自分が悪い子だという現実に、

押しつぶされそうになりました。

それなら、怒られないような環境をつくればいい

と考える人もいるでしょう。

今も、僕は注意されてばかりです。

それは、僕が悪いからだと自覚しています。

どうしても治らないこともあります。

それでも、諦めずに注意して欲しいと、

僕ならそう思います。

小さかった僕を支えてくれたのは、

ほめられた記憶ではありません。

こんな僕でも、途中で投げ出すことなく

愛情を注ぎ続けた人が

いてくれたおかげです。

褒められて伸びる子は、確かにいると思います。

ただ、それだけではだめだということにも、

みんな気づいているのではないでしょうか。

見る

晴れの日に、外を歩いている人は、

自閉症の僕を見ても、

そそくさと行ってしまいます。

雨の日だと、じっと見られているような

気がするのです。

大昔、

人は狩りをして暮らしていました。

晴れの日に見ていたのは獲物。

雨の日に見ていたのは、

仲間だったのかもしれません。

新刊「社会の中で居場所をつくる」(ビッグイシュー日本)本屋さんでも販売

本日、1月14日(木)の朝日新聞朝刊(東京では28面生活面)で、

精神科医の山登敬之先生と僕の共著、

『社会の中で居場所をつくるー自閉症の僕が生きていく風景(対話編)』が

紹介されました。

ホームレスの方の自立の支援を応援する雑誌「ビッグイシュー日本」さんで

連載していたエッセイ(往復書簡)を書籍化したものです。

これまで販売者さんによる先行販売を行っていましたが、

明日15日から、書店での販売も始まります。

お近くで、販売者さんからのお求めが難しい方は、

書店でお問合せください。

ビッグイシュー日本さんから、直接お求めいただくこともできます。

詳しい情報はこちらでご覧ください。
http://www.bigissue.jp/books/index.html

引き続き、全国の街角で販売者さんも、販売しています。

販売者さんからお求めいただくと、定価1600円(税込)のうち、

半分の800円が販売者さんの収入となります。

どうぞ、よろしくお願いします。

プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など20冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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