ぽんぽんぽん

   「ぽんぽんぽん」

ぽんぽんぽんとはずんでいく

ずっと遠くに

ぽんぽんと音がする

すぐ側で

ぽんと肩をたたかれ

僕は振り向く

ぽんぽんぽんと並んだ人

ぽんぽんと

ハイタッチ

ぽんと

夜空に花火があがった


               東田直樹

新刊「自閉症の僕の七転び八起き」発売日です

本日、新刊「自閉症の僕の七転び八起き」(KADOKAWA)

が発売されます。

よろしければ、ぜひご覧ください。

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※この本は、ブログの記事
2011年~8月2015年4月までの文章を再編集し
加筆・修正したものです。
書籍化にともない、2011年~2013年末までの
ブログの閲覧を終わらせて頂きました。


ずっと辛かったっこと

ずっと辛かったことも、時間が経てばうすれると

普通は考えられています。

けれども、自閉症の人の中には、そうでない人も

います。

全ての記憶は、僕の記憶の中で、無数の星のように

強く光ったり、弱く光ったりするだけで、その輝きが

うすれることはありません。

ずっと辛かったことは、今も辛いのです。

それが、なぜかと聞かれても、僕にもわかりません。

ただ、思い出の中には、楽しかったことや

嬉しかったこともたくさんあります。

辛い思い出の記憶が消えなくても、笑顔の思い出が

増えれば、気持ちはもっと、楽になります。

「うん」

僕は、ようやく「うん」と返事ができるように

なってきました。

それは、どのタイミングで言えばいいのか、

わからなかったからではなく、「うん」と言いたくても

声が出ないという感じだったからです。

自分の意志で、言葉が出ないのです。

話そうとすると、頭が真っ白になる僕にとって

わかっているという意思表示の「うん」さえも、

まるで手に届かない星のようでした。

僕は今「うん」という言葉を言う際には、

「うん」と発声しているわけではありません。

お腹に力を入れて、音をしぼり出している

のです。

僕は、こうすると「うん」という音を出せることに

偶然気づき、それからは「うん」の返事の時には

お腹に力を入れるようにしながら、

この音を出しています。

みんなが、うなずいたり、気軽な返事につかったり

する「うん」とは違いますが、これができるようになる

だけでも、気持ちは楽になります。

かまってもらいたい時

かまってもらいたい時というのは、人によって

違うのではないでしょうか。

かまってほしいというと、何だか小さい子供みたい

ですが、そんなことはありません。

一人が嫌だという気持ちは、みんな持っています。

だからといって、どのくらい人と関わり合うかまで、

一律に決める必要はないと思います。

この社会で生きていく中で、孤独を感じなければ、

それでいいのです。

プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など14冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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