怒っている人の声

人が注意されているのを見ると、

パニックになる自閉症者がいます。

その様子を見て、人が怒られているのが

嫌なのだと、考えている人も

いるようです。

僕は、ダメな自分を

責められている感覚になるからではないかと、

思っています。

フラッシュバックとは、違います。

自分が怒られていると、

勘違いしているわけでも、ありません。

仲間を助けられないとか、

同情する気持ちから、聞いていられない、

ということでもないと思います。

注意されている人が、

どうして怒られているのかが問題ではなく、

怒られている状態に

反射してしまい、自分を責めて、

パニックになるのではないでしょうか。

高齢者の記憶

高齢になって記憶力が落ちてくると、

記憶があいまいになるようです。

それは、少し悲しいことですが、

悪いことばかりではありません。

なぜなら、過去でも現在でもなく、今幸せで

あることが、その人の一番の幸せだと

はっきりしているからです。


いい人

困っている時に優しくされると、相手のことを

いい人だと感じます。

しかし、本当にいい人は、自分の状況とは

関係なく、いい人なのです。

そして、この「いい人」という言葉には、なぜか

地位や経済力が含まれていないことが多いような

気がします。

僕は、お金が全てだとは、考えていませんが、

地位や経済力も、相手を評価する基準のひとつだと

思っています。

なぜなら、その人がそれを得るために、どれだけの

努力を必要としたか、想像できるからです。

「いい人」という基準は、とてもあいまいです。

誰かにとってのいい人が、自分にとっての

悪い人かもしれません。

「いい」「悪い」で人を判断するのは、難しいと

思います。


子どもの歌

僕は、子どもの歌を、よく聞きます。

それは、歌詞やメロディが覚えやすいということも

ありますが、幸せな気分に浸れるからです。

小さい頃を思い出すわけではありません。

幼い子供にやさしく語りかけるような

雰囲気がいいのです。

実際に、そんな口調で話されたら、

バカにされていると、頭にくるのに

歌になったとたん、そう感じるのは

不思議です。

子どもの歌が好きなのと、小さな子ども扱い

されることは、別だとわかってもらいたいです。

御空(みそら)

御空(みそら)

御空の上に ただひとつ
ぽっかり浮かんだ お月さま
「ここまで おいで」と手招きして
数を唱える
1 2 3 ・ ・ ・
姿を変えながら
次の満月まで

月の輝きは
増しているだろう
人類が残した足跡を
笑いながら
愚か者だとさげすみ
広い宇宙の中で
僕たちの小ささを
憐れんでいる

                 東田直樹

※リブロ池袋本店でのトークイベントの
参加チケットの販売は終了いたしました。
どうも、ありがとうございました。
チケットがない方の入場はできませんので、
ご了承ください。


プロフィール

東田直樹

Author:東田直樹
会話のできない重度の自閉症。自閉症、絵本、詩集など14冊の本を執筆。東京大学(2回)、福岡女学院大学ほかで、講演会を開催。パソコンおよび文字盤ポインティングにより、援助無しでのコミュニケーションが可能。

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